チョコレートと一緒に楽しめる日本酒5選

チョコレート

お酒、それも日本酒のおつまみというと、しょっぱくて味の濃い料理というイメージが強いのではないでしょうか。

しかし、実はそうしたイメージと真逆のスイーツであるチョコレートも、日本酒と良く合う食べ物のひとつなのです。

日本酒とチョコレートは意外に共通点が多い

チョコレートが日本酒と合うのは、実はその味わいに共通点が多いからです。

お酒と料理がお互いを引き立てあう状態、いわゆる「マリアージュ」が成立するには味や香りの共通点が必要だとされています。

その点、日本酒とチョコレートの場合、実は以下のように多くの共通する味わいが存在します。

  • 口に含むとじんわり広がる「甘味」と「旨味」
  • 主に発酵によって発生する「酸味」
  • 原料に由来する「苦味」「渋味」

もちろん、それぞれのタイプによって相性の良し悪しもあるのですが、これだけ共通点があればマリアージュが成立する組み合わせを見つけるのはそう難しいことではありません。

ここでは、特におすすめのチョコレートと相性の良い銘柄、そして一緒に食べてみて欲しいチョコレートのタイプをご紹介いたします。

ちなみに、チョコと合わせるお酒はあまり温度を下げず、できればぬる燗~上燗(約40℃~45℃)、少なくとも冷や(常温)以上で飲みましょう。

お酒の温度をある程度上げておくことで、口の中でチョコレートの油脂が固まってしまうことなく、日本酒にとろりと溶け込ませられるようになります。

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おすすめの銘柄と組み合わせたいチョコレートタイプ

花春酒造 甘口純米 × ビターチョコレート

どっしりとしたコクを持つ、お米の甘味を十分味わえる純米酒です。

この銘柄には、ミルクを使用しておらず比較的ドライな甘味を感じられるビターチョコレートをおすすめします。

「花春 甘口純米」は、精米歩合75%という比較的控えめな精米が特徴の純米酒です。

そのため、しっかりとした精米を行ったお酒に比べてお米の味わいが多く残っており、どっしりとした味わいになっているのです。

この重厚な甘味に合わせるなら、チョコレートのほうもふわふわした甘さではなく、芯の通った強い味わいが必須。

原料にミルクを使用せず、カカオの旨味や渋味ががつんと感じられるビターチョコレートなら、お酒の重さに負けることなくうまくマッチしてくれるはずです。

できれば、カカオの比率が通常よりやや高めのものを選ぶとより合わせやすいでしょう。

(ただし、共通点として甘味は必要なので、99%などの甘味を感じられないタイプは避けたほうが無難です)

会津ほまれ 四段仕込み にごり酒 × ミルクチョコレート

優しく、しかし力強い甘味が特徴のにごり酒です。

このお酒と組み合わせるのであれば、ミルクチョコレートホワイトチョコレートなどが良いでしょう。

一般的な日本酒は、酵母をスタンバイさせた「酒母(しゅぼ)」と麹や蒸米などの原料を3回に分けて合わせる、いわゆる「三段仕込」で造られます。

この銘柄は、その三段に加えて発酵終了直前にもう一回原料を追加する「四段仕込」を行うことで、お米の味わい、特に自然な甘さを強化しているのです。

非常にしっかりとした甘味を持ちますが、けして甘ったるかったり刺激が強すぎるということはなく、にごり酒らしいとろっとした口当たりも相まって優しい印象のお酒になっています。

そのため、組み合わせるチョコレートは変に特徴的なものよりも、スタンダードで刺激の少ないものが良く合います。

ミルクやクリームを加えてマイルドにしたミルクチョコレートや、カカオ豆からカカオバターだけを抽出して使うホワイトチョコレートなどはまさにうってつけ。

チョコレートもお酒もゆっくり少しずつ楽しむような、リラックスタイムにおすすめの組み合わせといえるでしょう。

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玉川 自然仕込 Time Machine Vintage × ナッツ系チョコ

日本酒とは思えない濃厚な味わいを持つ銘柄を、さらに寝かせて熟成させたいわゆる「古酒」です。

このお酒に合わせるチョコレートは、ナッツやドライフルーツを練り込んだものが良いでしょう。

「Time Machine(タイムマシーン)」シリーズは、その名の通り昔(江戸時代)の造りを再現したお酒です。

一般的な日本酒とは大きく異なる濃厚で独特の香味が特徴ですが、「Time Machine Vintage」はこれをさらに3年寝かせた熟成酒。

非常に濃い甘味と酸味はデザートワインを、熟成酒独特の香りは紹興酒や蒸留酒をイメージさせてくれるという異色の銘柄なのです。

個性が強いのでどんなチョコレートにも負けずに組み合わせることが可能なのですが、特にナッツやドライフルーツなどを加えたものがおすすめ。

チョコレートの甘味、フルーツの酸味、ナッツのコクなどがそれぞれお酒の味わいとマッチし、他の銘柄ではなかなか経験できないほど深い調和を味わうことができるでしょう。

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加賀ノ月 琥珀月 熟成山廃純吟 × チョコレートケーキ

濃い味わいの料理と一緒に楽しめるよう設計された、力強く濃厚な銘柄です。

このお酒には、ガトーショコラやザッハトルテのような、チョコレートを使用したケーキ類を組み合わせてみるのはいかがでしょうか。

「山廃(やまはい)」とは自然の菌類を利用する「生酛(きもと)造り」の一種で、酸味やコクの強い日本酒を造ることのできる手法です。

石川県の日本酒は味のしっかりとしたものが多いのですが、この銘柄はその中でも特にどっしりとした味わいを楽しめるお酒なのです。

そのため一緒に食べるチョコレートも、ただ甘いものより小麦粉やジャムなどが加わり複雑な味わいを楽しめるケーキ類の方がバランスがとりやすくなります。

チョコに合わせるお酒としては比較的辛口寄りな銘柄なので、できればケーキの方も甘さが控えめなビタータイプが選べるとなお良いでしょう。

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華鳩 しおり 貴醸酒8年貯蔵 × 生チョコレート

とろりとした濃厚な甘味を持つ「貴醸酒(きじょうしゅ)」というジャンルの、さらに8年という長期間に渡って熟成を行った銘柄です。

組み合わせるチョコレートも、ジャンドゥーヤやトリュフ、生チョコレートなど濃厚なタイプを用意しましょう。

「貴醸酒」は、発酵させるときに加える仕込み水の一部を純米酒に置き換えて造る、言わば「日本酒を原料として造る日本酒」のこと。

味や香りの成分が濃縮されるのはもちろん、発酵が抑制されゆっくりになることで、強い甘味と繊細なコクも併せ持つようになります。

しかもこの銘柄は、8年という日本酒にしては非常に長い熟成を経たいわゆる「古酒」。

ここまでポテンシャルの高いお酒には、適当なチョコレートを合わせても押し負けてしまうため、強い味わいと個性を持ったタイプが必要なのです。

実際、貴醸酒も古酒もちょっと癖のある、ある意味万人向けとはいえないタイプのお酒ですが、個性的なチョコレートと組み合わせるとなぜかバランスが取れて飲みやすく感じられるケースも少なくありません。

日本酒の奥深い可能性を垣間見られる取り合わせだといえるでしょう。