「賞味期限」は、おいしく楽しめる期限、「消費期限」は、それを過ぎると有害な影響が出ることがある期限のことです。ここでは、アルコール飲料の「賞味期限」について取り上げます。
日本酒のラベルを見ると、製造年月日は表示されていても賞味期限はありませんね。日本酒は一定量以上のアルコールを含有するため、適切に保管されていれば一定期間で劣化がはじまるということがなく、賞味期限の表記がされていません。
これは他の酒類でも同様で、日本酒よりアルコール度数の高い焼酎、ウイスキー、ブランデーなどの蒸留酒はもちろん、一般的にアルコール度数の低いワインにも、賞味期限の表示はありません。
ただし、アルコール度数が10%を下回る醸造酒と混成酒、例えばビールやチューハイ、一部のリキュールなどには、賞味期限が設定されています。メーカーにもよりますが、ビールの賞味期限は6~9ヶ月ほど、チューハイ類は半年から一年ほどに設定されていることが多いようです。
では、賞味期限の設定されていないお酒はどれだけでも保管しておけるのかというと、一概にそうとは言えません。
蒸留酒の中でもアルコール度数の高いウイスキーやウォッカなどは、温度変化や光、振動などの環境による劣化が比較的少なく、冷暗所であれば10年以上経っていてもおいしく飲めるようですが、ワイン、そして日本酒は劣化しやすく、特別な設備がなければ、家庭内での保管は開栓まえでも一年程度、開栓後なら数週間を限度と考えたほうが良いでしょう。
もちろん、低温で光や振動がない場所であれば、長期間保管して熟成させることも可能です。実際に市販されているものだけでも、ワインの場合は100年近く、日本酒でも30年以上熟成させた大古酒があります。