日本酒の肴を作る(初級編)

冷奴

冷たい豆腐の上に薬味を散らした豆腐料理。
木綿豆腐、絹豆腐のどちらでも作られます。しっかりした食感が好みなら、木綿豆腐を使用し、まな板の上で重石を乗せて水切りすると良いでしょう(あまり長時間置いておくと硬くなりすぎるので注意しましょう)
料理と呼ぶのもはばかられるお手軽さですが、お酒との相性はばっちりです。

上に乗せる薬味は、好みと地域によってさまざまですが一例を挙げると、長ネギ、生姜、削り節、のり、みょうが、ゴマ、ひきわり納豆、卵黄、わさび、和からしなどが一般的でしょうか。

冷奴の薬味

変わったところだと、めんたいこ、おくら、ごま油、マヨネーズなんて意見もあるようです。
マヨネーズは、日本酒には合わなさそうですね…。
お試しは、自己責任でお願いいたします。

湯豆腐


湯豆腐

豆腐をお湯で温めただけ、というさらに簡単な豆腐料理です。
ひと手間かけるなら(というほどのことでもありませんが)、お湯を沸かすときに昆布を水から入れておくと、出汁の味わいが加わります。
これも、どちらかというと薬味が味を決めるといえますが、冷奴ほどバリエーション豊富とは言えません。
ねぎ、生姜、削り節、大根おろし、もみじおろし、すりごまあたりが定番ですね。

湯豆腐の薬味

ポン酢や三杯酢につけて食べたり、醤油を少しだけたらして食べたり、塩をちょっとだけつけて食べてもおいしいかも。
あまり早く火を止めると中まで温まりませんが、逆に火を通しすぎると硬くなりすぎてしまいますので、注意しましょう。

焼き魚


焼き魚
魚の種類によって、姿のまま焼くものと切り身で焼くものがあります。
鯵の塩焼きや秋刀魚の塩焼きなんかは、焼き魚の定番ですね。
スーパーや魚屋さんで買うときには、頼むと内臓やうろこ、えらを処理してくれますので、帰ってきたら塩をふって焼くだけでできます。

鮮魚

ただ、秋刀魚や鮎など、内臓の苦味が日本酒にとてもよく合う魚もいます。
食わず嫌いの方は、一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

切り身の魚を焼く場合、もちろんそのままでもおいしいのですが、濃醇系のお酒を振りかけてからグリルに入れると、味が深くなって身もしっとりとします。ぜひお試しください。

生野菜、温野菜


生野菜
新鮮な野菜は、そのままかじったり刻んであげるだけで十分おいしい肴になります。
また、スティック状や千切りにして上質な調味料をかけると、塩味が乗ってより日本酒に合う味になります。
少しくらい灰汁があっても大丈夫。むしろ、それがスパイスのようにお酒の味を引き立ててくれるでしょう。

胃腸が弱っていたり気温の低いときは、温野菜のほうがいいかもしれません。
刻んだ野菜を茹でたり蒸したりするだけで、お腹に優しい肴になります。

温野菜

生で食べられない野菜でも温野菜なら食べられることが多く、冷蔵庫に残ってしまった野菜の処理として定期的にやっても良いかもしれません。

ドレッシングをかけてもおいしいのですが、日本酒の肴にするのであればあまり油分が入っていないものを選んだほうが良いでしょう。

お刺身


お刺身

スーパーでパック売りされているお刺身でもいいのですが、自宅で切りたてのほうが切り口の劣化も少なく、よりおいしく食べられます。
三枚おろしができなくても大丈夫。
お店の人に「お刺身で食べたいので、切り身にしてください」といえば、家では切り分けるだけなのでとても簡単です。

お刺身を切り分けるときは、できるだけ水で濡らさないように気をつけます。
包丁もまな板も、一度水でゆすいだら布巾などでしっかり拭きましょう。
魚自体も洗ったりしてはいけません。
気になるなら、クッキングペーパーで抑えるように拭きます。

包丁

包丁は、刺身包丁があればもちろんいいのですが、なくても大丈夫。
できるだけ長めの、よく切れる包丁で、根元から先端まで全部を使って引いて切ります。
理想は一度で下まで切れること。
無理だとしても、あまりぎこぎこと前後に動かさず、できるだけ少ない動きで切り分けましょう。

おにぎり


おにぎり

ちょっと意外に思うかもしれませんが、実はおにぎりも肴になります。
考えてみると、もとが同じお米で塩味があり、なかにいれる具材も大体お酒に合うものなのですから、当然といえば当然かもしれませんね。
少し多めに塩を振って、具や海苔はなくてもかまいません。
合わせるお酒は冷やで、できれば薫酒熟酒ではなく、爽酒醇酒のほうが良いでしょう。
ご飯を良く噛んで飲み込み、そこにお酒を一口入れると、日本酒がお米の旨味をたたえたお酒であることが良くわかります。
ぜひ一度、トライしてみてください。