アルコール度数はお酒に含まれる純粋アルコールの割合
「アルコール度数」とは、そのお酒に含まれている純粋アルコール(エタノール)の容量の割合のことです。
例えば、アルコールを一切含まないジュース80mlに純粋アルコール20mlを加えた飲み物(100ml)を作ると、アルコール度数は20%になります。
日本酒の平均的なアルコール度数は15%なので、日本酒100mlには約15mlの純粋アルコールが溶けていることがわかります。
お酒を飲んで酔っ払うのはこのアルコールの作用で、体内に一度に入るアルコールの量が多いほど酔いが強くなります。
そのため、同じ量のお酒を飲んだとしても、アルコール度数が高いお酒のほうがより強く酔っ払うのです。
日本酒のアルコール度数について詳しく知りたい方はこちら
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日本酒と他のアルコール飲料との度数比較
タイプ | 酒類 | 一般的なアルコール度数 | 日本酒一合(180ml)換算 |
---|---|---|---|
醸造酒 | ビール | 5~7度 | 540ml |
マッコリ | 6~9度 | 386ml | |
ワイン | 11~14度 | 225ml | |
蒸留酒 | 焼酎 | 25~35度 | 90ml |
ウイスキー | 35~50度 | 68ml | |
ウォッカ | 40~97度 | 39ml |
日本酒と他のお酒のアルコール度数を比べると、この表のようになります。
では、醸造酒や蒸留酒と比較した場合について詳しくみていきましょう。
発酵で得られるアルコールをそのまま利用する醸造酒
酵母と呼ばれる菌類によってアルコール発酵を行い、それによって発生するアルコールをそのまま使用するタイプのお酒を「醸造酒」と呼びます。
日本酒も醸造酒の一種で、他にはビールやワイン、マッコリなども含まれます。
発酵によってアルコール濃度が高まると酵母自体がアルコール殺菌されてしまうため、アルコール度数は平均して低めです。
原料が元から持つ微量成分や発酵によって発生する要素などを全て利用することができるため、味や香りが複雑でフレッシュなものが多くなっています。
日本酒は異例なほど高アルコール 醸造酒との比較
日本酒は醸造酒の一種ですが、他の醸造酒に比べるとアルコール度数が高めになっています。
通常、醸造酒は原料と酵母菌を一度に合わせて発酵を始めます。
この方法の場合、最初は勢い良く発酵が進みますが、発生するアルコールによって酵母菌が弱ってしまい、比較的早いうちに勢いが落ちてしまいます。
しかし日本酒の場合、酵母(酒母)と麹などの材料を3回に分けて合わせる「三段仕込」という技法を使うため、長期間酵母を元気な状態に保ったまま発酵を進められます。
そのため、日本酒は醸造酒としては異例なほど高いアルコール度数を得ることができるのです。
発酵した原酒を蒸留して濃縮する蒸留酒
アルコール発酵を起こした原酒を蒸留して造るタイプのお酒を「蒸留酒」といいます。
蒸留とは、液体を一度気化させて集め、再度液体に戻すことによって不純物を取り除いたり濃縮したりする手法のこと。
アルコールは水よりも沸点が低いため、原酒を蒸留するとアルコールを濃縮することができ、比較的高いアルコール度数を得られるのです。
蒸留酒には、ウイスキーやブランデー、焼酎、ウォッカなどが含まれます。
沸点の高い物質や気化しない成分が取り除かれるため、醸造酒に比べると味や香りがシンプルになるという特徴があります。
日本酒とは飲み方も風味も異なる 蒸留酒との比較
上にも書いたとおり、日本酒は醸造酒としては高アルコールのお酒ですが、蒸留酒と比べるとどうしても見劣りしてしまいます。
蒸留によってアルコールを濃縮する蒸留酒は、発酵だけでは得ることのできないアルコール度数にも簡単に到達することができます。
アルコールの割合が非常に高いので、醸造酒と同じつもりで飲んでいるとあっという間に酔っ払ってしまうことも。
しかし、蒸留によって味や香りのタイプが大きく変化していること、刺激物であるアルコールが多く含まれることなどから、蒸留酒を日本酒と同じように飲むことはあまりありません。
水やソーダで割ったり、大きめの氷を浮かべて溶かしながら飲むことによってアルコール度数を下げることが多く、そのまま飲む場合もかなり少量ずつになるのが一般的です。
加水して調整した日本酒の14~16度というアルコール度数は、日本人にとって一番飲みやすいバランスなのかもしれませんね。