徳利
1~2合程度のお酒が入り、口がすぼまっている、花瓶のような形状をした酒器です。
首の部分を持って注いだり持ち上げたりします。
材質としてはほとんどが陶器や磁器の焼き物製で、近年ではガラス製のものも見られます。
ガラス製でなければ中のお酒の色などを見て楽しむことはできませんが、口が小さいため温度の変化が小さく、形状的に安定するため、じっくりと時間を掛けて楽しむのにむいています。
そのまま湯煎にして燗をつけたり、氷水で冷やしたり、古くは口に栓をして首に縄などを回し、量り売りのお酒などを持ち運ぶのにも使用された万能選手です。
胴の部分に氷をいれるくぼみがあって、冷やしたお酒の温度が上がらないようにする冷酒徳利というものもあります。
下の二つよりも、目的や容量によって形のバリエーションが多いので、使用目的などをよく考えて購入しましょう
片口
お椀やコップの形をしたものに注ぎ口がついているものを「片口」といいます。
1合から、多くとも3合くらいの容量のものがほとんどのようです。
形状的に加工しやすいためか、焼き物やガラスのほか、木彫り、漆器、金属など、様々な材質のものが作られているようです。
徳利と違い注がれたお酒の水面が見えるので、色を楽しんだり、お花見であれば花びらなどを浮かべたり、という楽しみ方ができます。
ただしその分空気に触れている部分も大きくなるので、長く置いておくと温度が変わったり酸化で味わいが変化してしまう可能性もあります。
一人でじっくりというよりは、二人以上で楽しむための酒器と言えるかもしれません。
ちろり、たんぽ
燗をつけるための金属製の器で、東西で呼び名が違うだけでちろりもたんぽも同じものを指します。
下にすぼまったコップ状で、取っ手がついていることが多いようです。
お湯に沈めて使用するのが一般的ですが、囲炉裏などの灰の中に埋めて使用することもあり、「地炉裏」の字が当てられることもあります。
伝統的には錫や銅、真鍮などの熱伝導の良い金属が用いられてきましたが、近年ではアルミ製の軽くて扱いやすいものや、耐熱ガラス製のものもあるようです。