北信越は、石川県、富山県、福井県の北陸三県に、長野県を含めた四県です(本来は新潟県を含めた五県ですが、ここでは省いています)
蔵元数全国2位の長野県を含み、他三県も古い歴史を持つ蔵が比較的多く残っています。北陸の湿潤で寒冷な気候もあいまって、現在でも酒造りが盛んな地域といえるでしょう。
また、近代以前は地理的にも文化的にも他の大都市とは離れていたことから、関西とも関東とも違う独特の文化を持つ地域であり、かなり規模の大きな蔵のお酒でも他地方では販売されていなかったり、逆によほど話題になった銘柄でなければ(大量生産品は除いて)他県の地酒が入ってこないなど、酒造業界内ではやや閉鎖的な地域でもあるようです。
栽培、使用されている酒米は、五百万石や美山錦など。
同じ県内でも距離や標高差があり、新潟に近い地域では端麗辛口、漁業が盛んな港を持つ地域では旨口、という具合にそれぞれの食文化にあわせた酒質が混在しているのも特徴といえます。
それでも、全国的に見るとやや辛口に寄ってはいるようです。
北アルプス、八ヶ岳、白山などの山系から流れ出す豊かな湧き水や伏流水が仕込み水として利用されています。