気をつけること
日本酒はとてもおいしい飲み物ですが、残念ながら誰もが楽しめるものではありません。
未成年は論外ですが、成人でも体質的にお酒が飲めない人がいます。
なかには、他のお酒は問題なく呑めるけど、日本酒だけは悪酔いしてしまうから無理、という人もいます。
日本酒を贈り物にする場合にはまず、相手がお酒を呑むことができる人か、呑めるとしたらどれくらい呑めるのかを確認しましょう。
一日ビール一缶がやっと、という人に一升瓶を贈ったりしたら、おいしくて高価な大吟醸が料理酒として大活躍、なんてことにもなりかねません。
王道で行くか、ひねりを加えるか
お酒:好き、日本酒:OK、となったら、いよいよ贈るお酒を選びましょう。
すでに贈る銘柄が決まっている場合はもちろん、相手に合わせて選ぶ場合でも、もともと日本酒好きな人で、好きな銘柄がわかればそんなに難しくはありません。
同じ銘柄の少し高級なタイプや、味のタイプが似た銘柄を選べば、まずはずすことはないでしょう。
また、蔵元によっては贈り物用として何種類かをきれいな箱に入れ、セットとして販売しているところもあります。
これも、「大吟醸セット」「純米酒セット」といった具合にコンセプトがはっきりしているものが多く、味わい的にも広く好まれるものが多いようです。
ただ、それだとあまり意外性がなく、ありきたりに感じてしまうのもまた事実。
少しひねりを加えて、相手の知らないであろうお酒を贈る場合は、例えば普段のお酒の呑み方や食べ物の好みなどから推理してみるのはいかがでしょうか。
真夏以外は熱燗を楽しむ、なんて方であれば、燗上がりする生もとや山廃の純米酒、お刺身やサラダなどのさっぱりした食事が好きな方であれば、辛口の生酒を「きりっと冷やして食事とあわせて飲んでみてください」と提案する、といった方法が考えられます。
うまくはまれば、新しい好みや組み合わせの発見も、一緒にプレゼントすることができます。
蔵元によっては、HP上に「飲み方別のおすすめ銘柄」や「相性のいい料理から検索」などを掲載していることもありますので、参考にしましょう。
ただし、味の好みは最終的には人それぞれであり、絶対的な指針ではないことは忘れないようにし、最初からあまりに冒険的な味わいの銘柄を選ぶのは避けたほうがいいでしょう。
万一はずしてしまうと、希少な古酒が煮魚の味わいに深いコクを与える隠し味として活用されてしまうなんて可能性もあります。
それでもいい!という場合、むしろそこまで覚悟するならさらにもう少しひねって、最初からおいしい料理酒をプレゼントするというのも一つの手かもしれません。
ラベルで選ぶ
おいしいお酒を贈る、というのは指標の基本ではありますが、必ずしも味で選ばなければいけないというわけではありません。
特に、普段あまり日本酒を呑まないような人や若い方への贈り物の場合、味よりもぱっと見のインパクトを重視するという手もあります。
ラベルだけを見てインスピレーションで選ぶ、いわゆる「ジャケ買い」は、プレゼント用のお酒を選ぶのにも適した手法といえます。
近年は、地酒ブームやネット通販の浸透により選択の幅が広がり、各蔵、特に若い蔵元を中心に、今までになかったようなおしゃれなラベル、おもしろいラベルを使用するようになってきました。
「純米酒」や「大吟醸」などの違いは良くわからない、という人でも、個性的なラベルのお酒は印象に残り、そこから日本酒に興味を持つようになるかもしれません。
この手法で贈る場合には、大型の酒販店やデパ地下、ネットショップなどを活用すると良いでしょう。
名入れ、メッセージあれこれ
印刷技術や家庭用プリンタなどの進化に伴い、近年では比較的小さな蔵でも名入れラベルに対応しているところが増えてきました。
これは、購入者が任意で指定した文字などをラベルに印刷するサービスで、単純な文字だけの指定のところもあれば、フォントや配列をいじったり画像や写真をプリントしたりと、蔵ごとに自由度が違います。
また、最近はラベルではなく直接瓶に彫刻したり、焼き物の大徳利に焼きいれたりといったサービスもあるようです。
料金の有料・無料や、一本からかロットがあるかなども異なりますので、目的に合わせて選ぶと良いでしょう。
この場合、通常よりも時間がかかることが多いので、問い合わせは時間に余裕を持って行ったほうが間違いがないようです。
お祝いの気持ちをこめて
神事やお祝い事に使われることの多かった日本酒は、もともとおめでたい銘や縁起のいい銘のものが多数あります。
結婚式や節句のお祝いには、鶴や亀、笑い、幸せ、永いなどの文字の入った銘柄、事業の立ち上げや勝負事に関わる相手には、勝つ、栄えるなどの銘柄、といったように名前で選ぶのも一つの手法といえるでしょう。
それぞれの酒銘の由来、意味などはHPで説明されていることが多いようですので、気になる銘柄を見つけたらチェックしてみてください。
包み方に一工夫
デパートや通販、直販店などで「贈り物に」と指定すると、ほとんどの場合専用の箱やラッピングの紙で包装してくれます。
贈り物の種類にあわせて熨斗をつけてもらうこともできます。
また、直接持参する場合には、手ぬぐいや風呂敷を使った包み方もおすすめです。
基本的には、布の上に長手方向をそろえて瓶をおき、ひねるように包んだあと、上下を結んで取っ手にする方法が一般的なようです。
一度覚えてしまえば簡単ですし、包装紙などのごみも出ず、なによりおしゃれです。
検索すると、画像つきで開設しているサイトもいろいろとありますので、ぜひチャレンジしてみてください。