九州地方は、福岡県、佐賀県、長崎県、宮崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県の8県で、ここでは沖縄県を加えて9県を九州・沖縄地方とします。
日本のもっとも南側に位置する地方で、温暖すぎる気候や米作りに向かない土壌は、あまり日本酒造りに向いているとはいえません。
実際に、地方全体の半数近い蔵が九州北東の福岡県に集中しており、九州南部や沖縄では一県に蔵元が一軒だけという状況です。
しかし、酒造りにかける熱意と技術や設備の発達により、寒冷な地方では見られない特色豊かな「南国の地酒」が各県で醸されています。
ほとんどの蔵元で焼酎の醸造を行っており、むしろ焼酎蔵が清酒も一緒に造っている、ということも少なくありません。
そのためか、「黒麹で清酒を仕込む」「酒粕で焼酎を造る」というそれぞれの特徴や手法を組み合わせた酒造りも多く見られるようです。
近年、冷蔵設備や輸送技術の発達から、外気温が高い地域でも寒冷地と変わりなくお酒を造ることができるようになってきています。
もしかすると近い未来、焼酎の技術や味わいを取り入れた新しい日本酒が生まれ、次の地酒ブームのトリガーとなるときが来るかもしれませんね。