兵庫県は、江戸時代に興隆を極めた「灘」を有する、歴史的にも重要な酒造地域です。
日本三大杜氏のひとつ、高い技術力で当時から日本中で引っ張りだこだったという丹波杜氏の発祥の地であり、国内の名水の中でも抜きん出て酒造りに適しているという西宮の宮水や日本一の山田錦の産地があるなど、良酒を醸す条件が整っている地域といえます。
現在、戦後の大量生産期から業界全体の低迷期を経て「日本盛」「大関」「白鶴」などの大企業に成長した蔵が生き残っていますが、大手との競争に負けずに中小の蔵もまだ多数残っていることが京都・伏見と大きく異なる点と言えるでしょう。
兵庫県の蔵元数は2015年現在で日本第三位。
いまでも江戸時代と変わらず、日本酒業界を牽引する酒処です。
1995年の阪神淡路大震災では多くの蔵元が被害を受けましたが、多数の蔵元はその被害から立ち直り、いまも受け継いできた灘の銘酒を醸し続けています。