日本酒造りは、麹菌や酵母菌、乳酸菌など様々な菌の力を借りて行います。
そのため、見学の際にはそれらの菌を脅かすようなことがあってはなりません。
清潔な身なりを心がけるのはもちろん、少なくとも前日から発酵食品の摂取を控えるようにしましょう。
特に増殖力の高い菌を使用している納豆、蔵付きの菌と違う乳酸菌が侵入する恐れのあるヨーグルトや漬物などは絶対に避けるべきです。
また、観光ルートの一部として酒蔵を訪ねる場合には、当日他の観光地などを訪れているかもしれません。
土がむき出しになっているところや落ち葉の上などを歩いたあとは、靴に泥などが付着していないか確認してから蔵へ向かいましょう。
蔵見学に限らず普通のマナーですが、予約をした日時はしっかり守りましょう。
酒造り期間中は、杜氏や蔵人にとって本来もっとも忙しく神経を使う時期です。
菌類の活動に昼も夜も関係ないため、多くの蔵では泊り込む勢いで作業が続いており、関係者の誰もが体力と神経をすり減らしながらお酒を仕込んでいます。
そんな中で応対の手間や時間を割いてもらっている以上、意味無く遅れたりドタキャンしたりといった身勝手な行動は慎むべきです。
逆に、当日風邪をひいてしまったりウイルス性の食中毒になってしまった場合は、無理に見学を強行するべきではありません。
麹室などの、菌類やウイルスにとって理想的な繁殖環境があったり、連日の肉体労働で通常よりも抵抗力が落ちている可能性のある人のいる酒蔵にとって、有害なウイルスはかなりの脅威です。
前述の通り酒造り期間中はどの蔵も大変忙しく、蔵人の一部でも体調を崩してしまうと造りに影響が出かねません。
残念ではありますが、発症が確定した時点でできるだけはやく連絡をし、事情を話して見学を辞退しましょう。