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会社を解散し、事業を辞めること。 日本酒の蔵の場合、酒造免許を返納し醸造も販売もやめること。
専用の容器や客が持参した徳利、瓶などに、希望する容量分をその都度量り入れて販売する方法。 現在では珍しいが、一升瓶が普及するまでは店頭での量り売りが日本酒販売の一般的な販売方法だった。 販売の直前までタンクに貯蔵でき外気や日光を避けられ、また瓶の洗浄状態などの要因から長期保存に向かないため、しぼりたての新酒や生酒のフレッシュな味わいを楽しむのに向いている。
アルコール添加に使用する米焼酎を指す。 明治以前、醸造アルコールがなかった頃には、アル添といえば柱焼酎を使用したものだった。 現在でも特定名称酒のアル添に米焼酎を使う蔵や商品はあるが、必ず「柱焼酎仕込」の表記があるわけではない。
蒸米に振りかけた麹菌が増殖し、米の中に菌糸が食い込んでいる状態。 破精の良し悪しによってその後の味わいや品質が決まってしまうため、日本酒造りの中でももっとも重要な工程のひとつといえる。
「ハネムーン」の語源にもなったという、はちみつを原料とする甘い酒。ミードともいう。 滋養強壮や疲労回復に良いとされている。
酒造好適米の一種。 1973年に、従来からあった「八反」と呼ばれる酒米のシリーズ(いくつも種類がある)の短所を改良して作られた、主に広島県で栽培される酒米。 栽培地の標高によって適正が異なる「一号」と「二号」がある。
夕食中、もしくは夕食前後にお酒を楽しむこと。 呑むお酒の酒類や量などは特に決まっていないので、夕方以降にお酒を呑めば全て晩酌といえるが、旧時代的なイメージからかおしゃれなお酒や高価なお店での飲酒を指すことはあまりない。 「自宅でゆっくり日本酒を味わう」というようなときにこそ、積極的に使っていきたい言葉といえるだろう。
" ひ "
麦を発芽させた麦芽とハーブの一種であるホップを使用して造られる醸造酒。 麦自体が発芽するときに発生させる酵素を利用して糖化させるので、日本酒などと違い麹は使用しない。 日本には明治時代にはじめて国内で紹介、製造されるようになり、いまではアルコール飲料のうち消費量が最も多い酒類である。 近年では小さな醸造所が造る「地ビール」が人気を博しており、日本酒蔵でもお酒と合わせて醸造しているところが増えてきている。
主にガラスでできた、液体の保存や運搬に使用される容器。 円柱状、四角柱状など様々な形状があるが、口は一箇所で胴部分よりも窄まっている。 日本酒の場合、蔵での火入れや貯蔵に使用される一斗瓶や販売に使用される一升瓶、四合瓶が代表的で、紫外線などの影響を少なくするために黒や緑色のものが使用される。
お酒を口に含んだ際に、最初に感じる香り。
" ふ "
もろみを布の袋に入れて吊り下げ、圧をかけずに滴り落ちた部分のみを集める搾り方。雑味が極端に少なく、繊細な味わいになる。手間がかかり、少量しか搾れないため、大吟醸などの高級酒に用いられる手法。
日本酒に関するマナー違反の一つ。 盃やお猪口を伏せて置くこと。 「あなたのお酌は受けません」「この宴席には加わりません」という意思表示とみなされる。
日本酒の製造過程の中で、本来増えるべきでない雑菌が繁殖してしまうことによって、腐敗してしまうこと。 「火落ち」が代表的。 タンク丸ごと駄目になってしまうため、経済的なダメージが非常に大きく、酒造関係者が最も恐れる現象の一つである。
税法上「清酒」に分類されるもののうち、特定名称酒以外のもの。 「精米歩合が71%以上で醸造アルコールを添加している」「使用している酒米の等級が基準に満たない」「麹米の比率が15%に満たない」「糖類や酸味料などの醸造用アルコール以外の添加物を使用している」など、特定名称酒の条件をどれかひとつでもはずしていると全て普通酒と表示される。 そのため、蔵によってはかなり上質の普通酒を造っているところもあり、一概に「普通酒=低品質・不味いお酒」とは言えない。 級別制度のころの名残で「上撰」「佳撰」といった名称を使用している商品もあるが、特定名称酒と違って規定があるわけではなく、使用の有無も判定基準も各蔵の判断に任せられている。
アルコールを自身の分解能力を超えて摂取した結果、翌日に現れる各種の不快な症状。 アルコールを分解してできるアセトアルデヒドが原因で、頭痛、胸焼け、吐き気、倦怠感、強い自己嫌悪などの症状があげられる。 症状を回避するための飲酒技術やドリンク剤、薬などもあるが、自分の飲酒限界をわきまえて過度に呑まないことが最大の防止策である。
もろみを小分けにして袋に詰め、槽(ふね)と呼ばれる枠の中に敷き詰めて上から圧力をかける搾り方。搾り終わるまでに1日~2日かかる。機械式より時間と手間がかかるため、近年では減少しつつある。
ヨーロッパ原産の蒸留酒。 ワインを蒸留し樽などで熟成させたお酒で、アルコール度数は平均して40度前後。 通常はブドウから作る白ワインを蒸留するが、さくらんぼを使用したチェリーブランデーやリンゴを使用したカルヴァドスなど、他の果物から作ったものもある。 蒸留酒ではあるが豊かな芳香を持っていることも特徴のひとつで、ケーキやクリームに合わせるなど製菓にも使用される。
日本酒に関するマナー違反の一つ。 徳利を振って内容量を確認すること。
" へ "
西暦794年から1184年の間の期間を指す。 日本酒の歴史においては、神事に使用された菩提もと造りから進化し、現在とほぼ同じ手法で様々なお酒が造られていた時代。 麹を使用し、酒母を作り、三段仕込の技法まですでに完成していたと見られる。 この頃から、寺院で造られるいわゆる「僧坊酒」が高い評価を得るようになり、特に現在の奈良県で造られた「南都諸白」は当時最高の酒といわれた。
麹菌によるデンプンの分解と、酵母によるアルコール発酵が、もろみの中で同時に進行する日本酒独特の発酵。 醸造酒の中でも高いアルコール度数や、複雑で繊細な味わいを作り出す。
米の形にそって精米をする技術。 通常、精米が進むほどに、米は次第に球形に近くなっていくが、これだと長辺の先端部分の心白が利用できない。 扁平精米は、米の形に合わせて均一に削っていくため、精米が進んでも米の形は元の形をそのままサイズダウンしたように楕円を保つ。 これにより、低精白でも雑味のもととなる部分が効果的に取り除かれ、心白を効果的に利用することができる。
" ほ "
アルコールの影響は自覚できるものの、客観的にも言動に問題がない程度の軽い酔いの状態。 おおむね血中アルコール濃度が0.1%前後のころで、血行促進や食欲増進、リラックスなど心身ともにアルコールの良い影響があらわれる。 この状態を保つようなペースで呑むのが上手な飲み方といえるが、同時に理性の行動抑制も緩むためなかなか難しい。
特定名称酒のうち、精米歩合が70%以下のもので純米酒でないもの。 アルコール添加が施されているため、純米酒よりもすっきりとした味わいのものが多い。