そのまま飲むのが一般的な日本酒ですが、実はカクテルのベースとして使ってもおいしいのを知っていますか?
蒸留酒を使ったカクテルよりも柔らかく優しい口当たりでアルコールも控えめな日本酒カクテルは、強いお酒が苦手な人やあまり酔っ払いたくない日にも楽しみやすいドリンクです。
組み合わせや調合の割合によって風味の調整もできるので、日本酒の味や香りがあまり得意でない人にも、逆に日本酒らしさを求める人にもおすすめできます。
ここでは、日本酒カクテルを作る際に意識するべきポイントと、特別な道具を使わずに比較的簡単に作ることのできる代表的な日本酒カクテルレシピをご紹介します。
おいしい日本酒カクテルを作るポイント
ちょっといい日本酒を使用する
カクテルベースにする日本酒は、適当な銘柄ではなくそのままでもおいしく飲めるようなちゃんとしたものを使用しましょう。
他の飲み物を混ぜて味を変えてしまうカクテルには、良いお酒を使うのはなんとなく抵抗を感じるかもしれません。
しかし、アルコール度数が蒸留酒より低めの日本酒を使用したカクテルの場合、分量全体の半分以上が日本酒であることも珍しくありません。
そのため、使用する日本酒の良し悪しがそのままカクテルのおいしさを左右しがちです。
良いお酒を使うとカクテルもおいしく、適当なお酒を使うとせっかくのカクテルもいまいちなものになってしまうのです。
カクテルの個性に合った日本酒を選ぶ
使用する日本酒は、できるだけカクテル全体の個性に合わせたものにしましょう。
日本酒ベースに限らず、カクテルにはブレンドする材料によっていろいろな味や香りのものがあります。
日本酒はお酒自体にしっかりとした風味が残る醸造酒の一種ですので、一般的なカクテルベースである蒸留酒以上にどの銘柄を使用するか慎重に判断しなければいけません。
例えば、ジュースなどを使用して甘酸っぱい軽い感じのカクテルにしたい場合は、基本的にフルーティな吟醸酒などが適しており、逆に強い味わいを持つ原酒などは不向きです。
とはいえ、同じレシピでも使用する銘柄によって印象が変わるのも日本酒カクテルの魅力のひとつ。
気に入ったカクテルがあったら、あえて異なる特徴を持ついろいろな銘柄で試して、好みに合うものを探したり変化を楽しむのも良いかもしれません。
分量をしっかり量ってブレンドする
カクテルを作る際には、お酒も他の材料もできるだけしっかりと計量しましょう。
カクテルは、ほんのわずかな割合の差で印象が大きく変わってしまう飲み物です。
本来はおいしいはずのレシピでも、材料比がちょっとずつずれたことでなんとなくぱっとしない飲み物になってしまうなんてことも珍しくありません。
特に慣れてくるとつい手癖で適当にブレンドしてしまいがちですが、おいしいカクテルを飲みたいのならば計量のひと手間は省くべきではないでしょう。
ちなみに、カクテルで使用するお酒の計量には、大さじ・小さじやカップよりもカクテルメジャーというカクテル作りに特化した計量器がおすすめです。
炭酸系日本酒カクテルのレシピ
しゅわっとした刺激がさわやかな炭酸系のカクテルは、暑い日や乾杯のための一杯に最適です。
ベースとして使用するお酒には、きりっと冷やしても甘い香りの立つ吟醸酒・大吟醸酒や、すっきり辛口の純米酒などがおすすめです。
共通するこつとしては、できるだけ炭酸を発散させないように作業を進めること。
氷はそのまま使用すると表面のでこぼこで泡がはげしくたってしまうため、一度さっと水で濡らしてなめらかにしてから使います。
グラスに注ぐときもできるだけ静かに、氷とグラスの隙間を狙ってそっと注ぎましょう。
サキ・トニック
すっきり爽やかで飲みやすいカクテルですが、トニックウォーターのほろ苦さが全体を引き締めてくれています。
苦味が得意じゃない方は、トニックウォーターを半分にして同量の炭酸水を加えると良いでしょう。
さらに、ここにティースプーン1杯のカシスリキュールを加えると、甘酸っぱい「サキ・カシストニック」というカクテルになります。
フルーツ系の日本酒カクテルのレシピ
フレッシュな酸味と甘味を楽しめるフルーツ系のカクテルは、アルコールがあまり得意でない人でも楽しめるドリンクの定番です。
フルーティな香りの吟醸酒や生酒、すっきり系の銘柄などをベースにすると飲みやすさもアップします。
生酒について詳しく知りたい方はこちら
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サムライ・ロック
ライムジュースは、ちょっと大きめのスーパーなどでレモン汁と一緒に陳列されていることが多いです。
もし見つからなければ、生のライム1/4を絞ってもOK。
グラスの上で絞れば、皮から良い香りが移ってさらにさわやかなカクテルになりますよ。
ミルク・クリーム系の日本酒カクテルのレシピ
優しい口当たりのミルク・クリーム系カクテルは、ゆっくりとお酒を楽しみたいときにおすすめ。
日本酒の気配を消したいなら端麗辛口のすっきりした銘柄が良いのですが、逆にちゃんと日本酒の風味を残したいなら純米酒や原酒などミルクに負けない強い味わいのものを選びましょう。
キクフィズ
デザートとしても楽しめる甘さとまろやかな口当たりのカクテルです。
これだと濃すぎる・甘すぎるという場合は、生クリームを牛乳に変えたりガムシロップを減らすことで、いくらかすっきりとした飲み口にできます。
リキュール系の日本酒カクテルのレシピ
リキュールや蒸留酒など、他のお酒と日本酒を使用したレシピは、本格的なカクテルを楽しみたいときに最適です。
いろいろなリキュールを一度にそろえるのは大変なので、よく使われているものを1~2種類購入し、あとは必要に応じて少しずつ増やしていくのが良いでしょう。
シルバーシャドウ
スタンダードカクテルの「ドライマティーニ」に近い、かなり強いカクテルです。
ジンのシャープな味と香りに、ベルモットと日本酒がかすかな甘みを与えてくれます。
日本酒が入る分マティーニより香りの複雑味が増しており、じっくりと楽しむのに適しています。
アルコール度数が高く飲むのに時間のかかるカクテルですので、薄まらないよう飲むためのグラスには氷を入れないようにしましょう。