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戦略

お酒は単なる飲み物ではなく、歴史や生活に根ざした文化の一つです。

世界中を見回すとさまざまな異なった文化があり、人々は時に我々日本人とはまったく違った価値観や規律に基づいた社会のなかで生きています。

文化文化文化

例えば貧富の差、身分の差などから、ある層には買ってもらえてもそれ以外の人々には買ってもらえないかもしれません。

貧富の差

食習慣の違いによっては、いま日本で流通している容器では多すぎたり少なすぎたり、不安を感じさせてしまう可能性もあります。

食習慣

宗教観が異なる人々に日本酒の良さを届けるには、単に「おいしい」というだけでは不足な場合もあるのです。

宗教観

これらの問題を解決するには、どういった人々に飲んでもらいたいかを定め、その文化についてよく理解して歩み寄っていくという、国内ではしたことのない努力が必要になってきます。

それはとても大変なことかもしれませんが、逆にもしその壁を乗り越えていくことができたなら、単なる商品の売買を超えた本当の意味での文化交流が、日本酒という鍵を軸にして実現できるかもしれません。

文化交流



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「南部美人 純米大吟醸」  株式会社 南部美人(岩手県)


南部美人

1997年に日本酒の海外輸出を志す蔵を集めて「日本酒輸出協会」を立ち上げ、積極的に海外での販売活動を行ってきた蔵元

IWCやジョイ・オブ・サケでも何度もメダルを受賞していますが、味わいを洗練する以外の戦略として「kosher(コーシャ)」の認定を受けている数少ないの一つです。

kosher

Kosherとはユダヤ教に基づく食事規定のことで、原料の基準や加工方法はもちろん、使用する道具や保管場所の状態、一緒に保管できる他原料(そのお酒に使用しないものでも!)まで厳密に管理することでようやく取得できます。

その分、この認定を受けている食品は素性の確かな安心できる食品として見られ、海外ではユダヤ教徒でなくても、「信頼できる食品」を見分けるためにKosherマークを活用する人々が多数いるほどです。

厳密に管理

南部美人では、「日本酒」と「果実酒」についてこの認定を取得。

日本ではあまり意識しない「宗教上の問題」を解決することで、特にアメリカやヨーロッパなどの多国籍都市で、他銘柄に対して大きくリードしていると言えるでしょう。

kosher



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「獺祭 磨き その先へ」  旭酒造 株式会社(山口県)


山口県

ここ数年で高精白酒のトップスターに躍り出た獺祭の蔵である旭酒造も、Kosher認定を取得しています。

「小難しい専門的なお酒ではなく、誰が飲んでもおいしいとわかる日本酒を」というコンセプトを掲げ、いまや国内はもちろん世界10カ国以上で飲まれている獺祭ですが、この認定によって海外、特にアメリカの富裕層に多いユダヤ教徒からさらに支持されると思われます。

富裕層

「獺祭 磨き その先へ」は、四合瓶で3万円オーバーという超高級酒ですが、これももともとは「ワインのように、もっと高級なラインナップが欲しい」という海外からの要望に応えつつ、「実を伴わない見た目だけ高級酒にはしない」との考えから造られたお酒です。

超高級酒

気になる精米歩合は「非公開」。

上槽に遠心分離機を使用するなど、価格に見合った技術と労力を注ぎ込んでいるとのこと。

国内では一升瓶で1万円を超えるとかなりの高級酒扱いになり、よほど余力のある大蔵元でなければそれ以上のコストをかけることは難しくなりますが、そのリミットをはずして今の何十倍というコストがかけられるなら、いったいどんなお酒を造ることができるのか。

獺祭が、いまのワイン市場の一部に日本酒のマーケットを獲得することに成功し、「超高級日本酒」というジャンルが確立した暁には、追随した各蔵の技術開発によってその答えを知ることができる日が来るかもしれません。

技術開発



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