日本酒の歴史① 印刷する

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 他のあらゆる種類のお酒と同様、日本酒、つまりお米を原料としたお酒の起源は、有史以前にまで遡り定かではありません。

 ですが、若い巫女が生米を噛んで唾液と混ぜたものを発酵させた「口噛みの酒」が起源という説や、神様にお供えした米がかびて水に浸り、偶然発生したのが始まりなど、元々が神事のための物であったことは確かなようです。

 実際、飛鳥時代(7世紀頃)の文献によると、朝廷内に「酒部(さかべ)」と呼ばれる酒造りの部署があったと記されています。

 この頃はまだ、10日前後で出来上がるごく薄めのお酒でした。しかしその後、仕込みの方法が改良されて現在のような濃度の「諸白」という清酒が造られるようになっていったり、酒造技術が寺院や造り酒屋に受け継がれ生産量が増加していったことを考えると、早くから嗜好品として楽しまれていたこともまた間違いありません。

 10世紀頃には今とほとんど変わりない手法で作られていたというのですから、「もっとおいしいお酒を飲みたい!」という酒好きの情熱は、今も昔も同じだったようですね。

 そして、設備や技術の関係で主に関西周辺でのみ造られていたお酒は、16世紀頃に大量生産のできる「十石入り仕込み桶」の発明を受けて次第に地方へと広まり、戦国時代の流れに乗って群雄割拠の地酒文化が華開くのです。

造り酒屋