運ぶ、注ぐ 印刷する

 まずは、蔵元から家庭への流通のうつわです。


瓶1

 現在、タンクから小分けにして貯蔵・出荷する際の日本酒の容器は、紙パックや缶、樽など一部の例外を除いてほとんどが瓶です。
 大吟醸など、丁寧に作られたお酒をできる限り劣化させずに貯蔵するための一斗瓶は、店頭などで見ることはありませんが、いまでも蔵見学などで見ることができます。
 日本酒の瓶といえばかつては一升瓶が大半でしたが、近年では消費の状況に合わせ、四合瓶や300ml、180mlなど、小さな容量の瓶も活躍しています。
 また、海外での販売やコンセプトにあわせ、ワインボトルを使用している蔵もあるようです。
 これらの瓶の大半は、黒や緑の色がついていますが、これは光による劣化をできるだけ防ぐためです。
 日本酒は大変デリケートなので、直射日光はもちろん、間接的な光線やごく弱めの蛍光灯の光などが当たるだけでも、少しずつ変質が進んでしまいます
 透明な瓶に比べると色付きの瓶は光を通しづらくなっていますが、こだわる酒販店などでは瓶を新聞紙でくるむなどしてさらに劣化を防ぐ工夫をしています。


 かつて日本酒を運ぶ際に使用されていた木製の樽は、現代では輸送を目的として使われることはありませんが、香り付けやイベント用として用いられることはあります。
 樽の香りをあえてうつす「樽酒」は、冷ややぬる燗で飲むと杉のさわやかな香りが楽しめます。
 また、神社に奉納されるお酒や、イベントで行う鏡開きなど、特におめでたい場面では今でも菰(こも)で装飾された樽が使用されているのを見たことがあるでしょう。
 近年では、飾りや小さなイベント用に、1~2合程度が入ったミニチュアサイズの樽酒を販売している蔵もあります。

紙パック


 品質の向上により、以前のように匂いが移ってしまうようなことは少なくなった紙パックですが、それでも外気温などの影響は瓶よりも大きく、またイメージもあまり良くないため、特定名称酒以上のお酒に使用する蔵元はほとんどありません。
 それでも、スーパーの酒類売り場などでは、糖類添加などの「合成清酒」や料理酒などが紙パックでずらりと並んでいます。

カップ酒


 紙パック同様、安価で低品質なお酒の代名詞のように扱われるカップ酒ですが、近年では通常の瓶詰のものと同じ品質のお酒を、お土産用としてカップ酒で販売している蔵も多くなってきています。
 地元のゆるキャラなどとコラボレーションするなどデザインも凝っていて、容量が小さい分価格もお手頃なため、日本酒好きな若い人の間でも人気があるようです。