日本酒の歴史③ 印刷する

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日本酒の歴史③

 二度の大きな戦争は日本全体に大きなダメージを与えましたが、酒造業界も例外ではありませんでした。人的被害、家屋被害などもさることながら、深刻だったのが原料である米の不足です。

 食糧難で醸造にまわすことのできる酒造米が減らされ、不安定な生活のストレスから酒類の需要だけが膨らむ中、人々が危険な闇酒に手を出さないよう配給量を増やすための苦肉の策として三倍増醸酒、いわゆる三増酒が開発されます。

 これは、絞る前の醪(もろみ)に味付けしたアルコールを、本来絞れる予定の酒量の2倍添加し、結果として本来の3倍の量の酒を絞るというものです。

 材料難の中、時には腐敗しかけている酒まで三増酒に仕立てたという話もあり、当然味はひどいものでした。 しかし、本来造ることできる量の3倍絞れることから、物資不足から回復した後も三増酒は造られ続けます。

 そして、敗戦による欧米への憧れや、比較的復興の早かったビールワインなどのシェア拡大によって、「まずい」「悪酔いする」「ダサい」などのイメージがついてしまった日本酒の消費量は、長く低迷することになりました。

平和像

 現在、幾度かの日本酒ブームなどはあったものの、やはり日本酒の消費量は回復には至っていません。

 しかし、バブル期の熱も冷め、ネット上で様々な情報が得られるようになった今、各地でのイベントや海外へのアピールなど、再興へ向けた様々な取り組みが行われています。

 技術の発展によって味も種類も史上最高となっている今、有史以前から続く日本酒の歴史、その次のステージが始まろうとしているのです。

平成